診療科
形成外科
疾患別コラム
異物肉芽(にくげ)腫
どんな病気か
人の身体では、種々の原因で慢性的な炎症が生じると、その部位にさまざまな細胞が集まり、最終的に毛細血管に富んだ線維からなる腫瘤が形成されることがあります。こうした腫瘤を肉芽(にくげ)腫と呼びますが、異物肉芽腫は体内に入った異物が原因で肉芽腫を生じたものの総称になります。原因となる異物には、外傷に由来する砂や石、木片のほか、手術で用いられる材料(縫合糸、固定用金属、シリコーン)などがあげられます。
異物が皮膚の浅いところにある場合は、潰瘍を生じながら肉芽腫が増大することがあり、肉眼的でも腫瘤を確認できる場合が多く、早期に発見されます。一方、異物が皮膚の深いところにある場合は、硬いしこりをふれる以外に症状がないこともあり、長期間にわたり放置されることもあります。異物肉芽腫を疑う場合、超音波検査、単純X線写真、CT、MRIなどが行われますが、診断が難しい場合もあり注意を要します。
治療法
肉芽腫のみの切除を行っても異物が残っていれば再発の可能性が高いため、異物も含めた摘出が原則として必要です。ただし、もともとの疾患の治療上摘出できない材料・装置や、不適切な美容外科手術における注入異物などは、異物が残ることを余儀なくされる場合もあります。また、炎症が強い場合はステロイド投与が行われることもありますが、長期投与に伴う合併症に注意が必要です。再発を繰り返すような場合には、専門医に相談した方がよいでしょう。
明確な因果関係は証明されていませんが、長期間にわたって潰瘍化を繰り返す場合は、癌発生を促す可能性も否定できないため、できるだけ早期の異物摘出が望まれます。また、部位によっては、呼吸困難や視野の異常などの重篤な障害の原因になることもあり、早期の適切な治療が望ましいといえます。
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