診療科
歯科
透析患者さんは唾液分泌機能低下や糖尿病の影響でう蝕(むし歯)や歯周病のリスクが高くなっています。そのため治療だけでなく定期的な健診も重要です。第一病院と連携を取りながら、患者さんのお口の健康をサポートしていきます。
治療について
お口の2大疾患は「う蝕(むし歯)」と「歯周病」です。どちらも原因菌がありますが、透析患者さんとは大きく関わっています。
「う蝕」は唾液の働きが重要です。虫歯菌が作り出す酸によって歯が溶けてくるのがむし歯の成り立ちですが、唾液にはそれを中和する働きがあります。唾液の分泌低下があればそれだけむし歯になりやすくなります。お口の中に虫歯菌のえさになる食べ物(特に糖質)を残さないように歯ブラシをよくすることは重要です。
「歯周病」は近年糖尿病の合併症の一つと言われています。透析患者さんの多くが糖尿病を抱えていることが多く、気がつかないうちに歯周病に罹患していることがあります。歯周病は歯の周りの歯茎の炎症から始まり、徐々に炎症が深いところにまで進行し歯を支えている骨まで溶かして歯がぐらぐらし最後は歯が抜けてしまう病気です。治療には原因になる歯垢を取る必要があり、やはり歯ブラシが重要になります。
透析患者さんはシャントを造設しているために手に力が入らず、歯ブラシがうまく行えないことも多く透析後の倦怠感もありお口なかの状態が悪いことが多く見られます。
このように透析患者さんは様々な悪条件があり重症になることが多いのが現状です。単にむし歯の治療だけでなく、お口全体の健康や予防などにも力を入れています。週3回の透析は大変ですがお口だけでなく全身の健康のためにも定期な健診、歯石取りをお勧めします。
※本院における歯科は、透析をされる外来・入院患者さんの日常生活をサポートするのが主な役割であり、限られた診療時間内で医療相談や治療を行っております。