診療科
腎臓内科
疾患別コラム
ループス腎炎
どんな病気か
ループス腎炎は、全身性エリテマトーデス(SLE)という自己免疫疾患が原因で発症する、腎臓の慢性的な炎症状態です。日本におけるSLEの発生頻度は10万人対約3人で若年女性に多い傾向があります。SLE患者の40~80%程度にループス腎炎が合併するといわれ、SLEの経過に影響を及ぼすと言われています。
原因
ループス腎炎の原因は、SLEの進行によるものです。SLEは自己免疫系が異常を起こし、体自身の組織や細胞を外敵と誤って誤認して攻撃します。これが腎臓にも及ぶことで、腎炎を引き起こします。また、遺伝的要因、環境要因、ホルモンの影響も一因とされています。
症状
ループス腎炎の症状に大きく、腎炎やネフローゼ症候群による症状と腎機能低下によるものとに分けられます。ネフローゼ症候群を起こすと、尿の泡立ちやむくみが現れます。腎機能低下による症状は慢性腎臓病による症状に準じます。
治療
ループス腎炎の治療は、症状の重さと病状の進行度に応じて異なりますが、一般的には以下のような治療法が採用されます。
- 免疫抑制剤の使用
- ステロイドによる炎症の抑制
- 慢性腎臓病における治療法に準ずるもの
予防
ループス腎炎の予防には、SLEの管理が重要です。定期的な受診と症状に応じた治療の調整が必要です。また、健康的な生活習慣を心がけることも大切です。
まとめ
ループス腎炎は、全身性エリテマトーデスによる重篤な病態の一つで、適切な治療と管理により症状のコントロールと腎機能の保存が可能です。早期発見と治療開始が重要とされています。
Q&A
ループス腎炎は遺伝する病気ですか?
SLEは遺伝的要素を持つ病気ですが、ループス腎炎自体が直接遺伝するわけではありません。ただし、家族内にSLEの患者がいる場合、発症リスクは高まる可能性があります。
ループス腎炎の症状が現れたらどうすればいいですか?
症状が現れたら、早急に医療機関を受診し、専門の医師の診断を受けることが重要です。自己判断での治療は避け、医師の指示に従ってください。
ループス腎炎の治療で使用される免疫抑制剤はどのようなものですか?
ループス腎炎の治療にはいくつかの免疫抑制剤が用いられます。一般的なものにはシクロフォスファミドやアザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル(MMF)があります。これらの薬は免疫系の活動を抑え、腎臓への攻撃を減少させることを目的としています。
ループス腎炎の診断はどのように行われますか?
ループス腎炎の診断には、尿と血液の検査が含まれます。これにより、腎機能の状態や体内の炎症の程度が評価されます。場合によっては腎臓の生検が行われることもあり、これにより腎臓の組織を直接調べて病状の詳細を把握します。
ループス腎炎患者の日常生活で注意すべきことは何ですか?
日常生活では、バランスの取れた食事、適度な運動、十分な休息を心がけることが重要です。ストレスを適切に管理し、感染症から身を守るために手洗いなどの衛生習慣を徹底することも推奨されます。また、日焼けはSLEの症状を悪化させることがあるため、紫外線対策も必要です。
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