診療科

小倉第一病院 診療科形成外科疾患別コラム(形成外科:血管腫・血管奇形)

形成外科

疾患別コラム

血管腫・血管奇形

どんな病気か

血管腫・血管奇形などと呼ばれる血管の病気は原因不明のものが多く、色々な名前で呼ばれます。以前は血管腫と呼ばれていたものが、最近では血管奇形と呼ばれていることもあり、医師の中でも統一されていないのが現状です。
比較的みることの多い4つの病気について説明します。

(1)乳児血管腫(イチゴ状血管腫)

典型的には出産直後には病変がなく、生後間もなくしてから赤い斑点が出現して徐々に盛り上がり、イチゴのように赤く盛り上がった形状になる病気です。1才ころピークに達し、その後はゆっくり色が落ちていき、多くの場合は小学校低学年くらいまでの間に赤みが引いてきます。

(2)毛細血管奇形(単純性血管腫)

毛細血管は動脈と静脈の間にあり、皮膚に広がる細くて薄い管ですが、それらが異常に増えて集まった状態で、出産直後から赤く平坦な「あざ」として発見されます。生まれつきの毛細血管の異常なので、厳密には血管腫ではなく奇形に分類されます。自然に消えることはなく、ゆっくりと色が濃くなることや大きくなることがあります。また、大人になるにつれて盛り上がることがあります。

(3)静脈奇形(海綿状血管腫)

生まれつき静脈の成分が拡張・腫瘤化したもので、身体のさまざまな部位に発生し、大きさや深さもさまざまです。体表面から青くすけて見える場合や、手足に生じた場合には下垂によりふくらむことが多く、静脈石と呼ばれる硬い病変を触れることもあります。また、痛みをともなうことがあります。MRI、CTなどの画像検査を行って大きさや深さ、性状を検査します。

(4)動静脈奇形

正常な血管では動脈→毛細血管→静脈という構造になっていますが、毛細血管を経由せずに動脈から静脈に直接血液が流れることで血流の早い病変が形成されたものになります。動脈の血圧が、静脈にかかるので、多くの病変は進行性です。皮膚の赤あざや拍動性の瘤からはじまり、大きくなると出血や痛みを伴うことがあります。さらに血流が多くなると心臓に負担がかかることもあります。

治療法

(1)乳児血管腫(イチゴ状血管腫)

自然経過で縮小していくことが多いので基本的には経過観察となりますが、最近では早期からプロプラノロールの内服治療や色素レーザー治療を行うこともあります。こうした治療により早期に赤みが消えることが期待されます。

(2)毛細血管奇形(単純性血管腫)

部位や大きさなどでさまざまな経過をとりますが、多くはゆっくりと進行するので、状況に応じて色素レーザー治療や、手術治療などを行います。

(3)静脈奇形(海綿状血管腫)

部位や大きさによって最適な方法を選択します。治療方法としては手術や特殊な薬を病変の中に注入して小さくする硬化療法などがあります。

(4)動静脈奇形

小さな病変の場合は切除を行うことが可能ですが、大きな病変では出血や再増大の危険があるため、前もって病変とつながっている血管を詰める塞栓療法を行うこともあります。

血管腫、血管奇形には様々な種類があり、治療方法もそれぞれで異なります。
早期の治療のほうが目立たないよう治せる可能性が高くなりますので、なるべく早い段階で治療に習熟した医師に診察してもらうことが望ましいといえます。

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