診療科
形成外科
疾患別コラム
褥瘡
どんな病気か
褥瘡(じょくそう)とは一般に「床ずれ」といわれるきずのことをいいます。体のある部位が長時間圧迫されることで血が流れなくなった結果、組織が損傷されることできずになります。褥瘡の重症度は、「圧迫の強さ×圧迫されていた時間」で決まります。
健康な人の場合、組織が損傷される前に痛みやしびれを感じるため、寝返りをするなどして長時間の圧迫から逃れることができます。また、皮膚や皮下組織も丈夫なので少々のことではきずができないようになっています。しかし、次のような人たちはそうしたことができないため、褥瘡ができやすいとされています。
- 長期間寝たきりを余儀なくされる方
- 糖尿病などの神経障害があって、痛みやしびれを感じない方
- 脳血管障害や脊髄疾患等で運動障害のある方
- 栄養状態が悪い方
- 高齢で皮膚が薄く弱くなっている方
褥瘡は数時間程度で発症することもあるため、このような方は普段の生活から注意しておく必要があります。
褥瘡ができやすい部位ですが、寝ているときや座っているときに寝具や椅子などと接触し、かつ骨が外から触れやすい部分になります。骨盤の部分や踵が褥瘡のできやすい部分として知られていますが、やせている方では背骨や肩甲骨の部分にもできることがあります。
予防と治療
褥瘡はできてしまうと治療に長い時間がかかるきずですが、適切に対処すれば予防することが可能です。つまり、治療よりも予防が非常に重要になります。褥瘡ができる原因の多くは身体への圧迫なので、まずは圧迫の力を減らすことを考えていきます。具体的には「体圧分散用具」といわれるやわらかいマットレスや車椅子用のクッションを使用します。さらに身体を良い位置に整えるためのクッションなども必要です。どのようなものを選べばよいかわからない場合には、日本褥瘡学会のホームページ(https://www.jspu.org/)などを参考にしていただけると良いと思います。
こうした用具の購入やレンタルには費用が発生しますが、介護保険が利用できるような方では安価にレンタルすることもできますので、早めにケアマネジャーさんなどに相談してください。
不幸にして褥瘡ができてしまった場合は、適切な治療をしないと全身の状態が悪化することもあります。治療方法は褥瘡のできた部位や重症度、さらには患者さんの状態やご本人、ご家族のご希望などに応じてさまざまな方法を組み合わせて行っていきます。最近では訪問で褥瘡の診療を行う専門医も増えていますので、できるだけ早めにそういった医療機関に相談することをお勧めします。
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