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小倉第一病院 診療科腎臓内科疾患別コラム(腎臓内科:IgA腎症)

腎臓内科

疾患別コラム

IgA腎症

どんな病気か

IgA腎症(IgA nephropathy)とは、私たち腎臓内科医が「腎炎」と呼ぶ慢性糸球体腎炎の中のひとつの疾患です。自分の身体の中にある物質IgAという抗体が腎臓の中の尿を作っている部分である糸球体に異常に蓄積することで起こる疾患です。経過が様々で、ほとんど治療をする必要がないものから、最終的に末期腎不全にまで至ってしまうものまであります。

原因

IgA腎症の正確な原因は未だ完全には解明されていませんが、遺伝的要因や免疫系の異常が関与しているとされています。特に、IgA抗体の構造異常や過剰生産が免疫応答の誤作動を引き起こし、糸球体への沈着を促すと考えられています。

症状

IgA腎症の初期症状は非常に目立たないことが多く、多くの場合、健康診断での尿検査で尿蛋白や尿潜血が陽性になることで偶然に発見されます。症状が現れる場合は、肉眼的にわかる血尿が一般的です。進行すると、腎機能の低下に伴って高血圧、浮腫(むくみ)、疲労感が現れることがあります。

治療

腎生検という精密検査の結果によって治療法が選択されます。現在のところ、IgA腎症を完治させる治療法は存在しません。しかしながら、扁桃腺摘出とステロイドパルス療法を組み合わせることで、高確率で尿蛋白が陰性になる治療法が選択されることもあります。予後が良いと考えられる場合にはほとんど治療をせず経過をみていくこともあります。

予防

IgA腎症の発症を完全に予防する方法は現在のところ確立されていませんが、リスクを管理するためには健康的な生活習慣を心がけることが重要です。バランスの取れた食事、定期的な運動、禁煙、アルコールの適度な摂取が推奨されます。

まとめ

IgA腎症は、腎臓の糸球体にIgA抗体が蓄積することで発生する慢性的な腎臓病です。完治する治療法はないものの、適切な治療により症状の管理と腎機能の保持が可能です。早期発見と治療開始が重要とされているので、尿検査で異常があった場合には腎臓内科へ早めに受診することが望ましいといえるでしょう。

Q&A

IgA腎症は遺伝しますか?

IgA腎症は遺伝しますか?

IgA腎症には遺伝的要素が関与していると考えられていますが、直接的な遺伝病ではありません。家族歴がある場合はリスクが高まる可能性があります。

IgA腎症の治療で最も重要なことは何ですか?

IgA腎症の治療で最も重要なことは何ですか?

IgA腎症の治療で最も重要なことは、腎機能の低下を遅らせ、合併症のリスクを減らすことです。これには、血圧を健康的なレベルに保つこと、必要に応じて免疫抑制療法を行うこと、適切な食生活を維持することが含まれます。また、定期的な医療フォローアップを受け、症状や腎機能の変化に注意を払うことも重要です。

IgA腎症の診断方法は何ですか?

IgA腎症の診断方法は何ですか?

IgA腎症の診断は、通常、尿検査での血尿や蛋白尿の発見に始まります。その後、血液検査、腎機能検査、そして確定診断のための腎生検が行われることが多いです。腎臓の精密検査である腎生検では、腎臓の組織サンプルを取り、顕微鏡下でIgAの沈着を確認します。

IgA腎症はどの年齢層に多く見られますか?

IgA腎症はどの年齢層に多く見られますか?

IgA腎症は若い成人に最も一般的に診断されることが多いですが、任意の年齢で発症する可能性があります。特に20代から40代の男性に多く見られる傾向があります。

日常生活で注意すべきことはありますか?

日常生活で注意すべきことはありますか?

IgA腎症の患者さんは、腎臓の機能に応じて塩分やたんぱく質の摂取を控えめにすることが推奨されることがあります。また、定期的な医療チェックを受けることで、症状の変化や腎機能の変動を早期に捉え、治療計画の調整が可能になります。高血圧がある場合は、血圧を適切に管理することが非常に重要です。喫煙者は禁煙が望まれます。

IgA腎症患者の予後はどうですか?

IgA腎症患者の予後はどうですか?

IgA腎症の予後は個々の病状や治療への反応によって大きく異なります。一部の患者さんでは病状が安定し、長期にわたって腎機能が維持されることもありますが、他の患者さんでは進行性の腎不全に至ることもあります。適切な管理と治療が予後を改善する鍵となります。

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