診療科
腎臓内科
疾患別コラム
痛風腎
どんな病気か
痛風腎(gouty nephropathy)は、痛風を起こすようなレベルの尿酸が高い状態を長期間患うことで起こる疾患です。痛風は血液中の尿酸の値が高い状態(高尿酸血症)の程度が強くなると起こります。血液中の尿酸の濃度が高まると尿酸の血症が関節やその他の組織に沈着することにより痛みを生じることになります。そのような状態が長期間持続すると腎臓の機能が低下し、最終的には慢性腎臓病や腎不全につながる可能性があります。
原因
痛風腎の主な原因は、体内の尿酸濃度が異常に高い状態(高尿酸血症)が持続することです。尿酸は細胞の正常な代謝過程で生成される物質で、通常は腎臓によって血液から濾過されて尿として排出されます。しかし、尿酸が過剰に生成されたり排出が不十分だったりすると、血中の尿酸濃度が上昇し、尿酸結晶が腎臓に沈着することがあります。
症状
血液中の尿酸値が高いだけでは通常は無症状です。尿酸値がかなり高くなると手や足の指の関節などに強烈な痛みを生じます。これがいわゆる痛風です。痛風腎に特有な症状はないのですが、腎機能が低下するに伴って一般的な慢性腎臓病の症状、むくみや倦怠感などを起こすようになります。
治療
痛風腎の治療は、主に生活習慣の改善と薬物療法に焦点を当てます。具体的な治療方法には以下のようなものがあります。
- 尿酸値を下げる薬の内服(フェブキソスタットなど)
- 尿酸の尿への排出の促進(炭酸水素ナトリウムなど)
- 食事療法によるプリン体の制限
- 十分な水分摂取で尿酸の排泄を促す
- 体重の管理と適度な運動
予防
痛風腎の予防には、日常生活における健康管理が重要です。以下の予防策が有効です。
- バランスの取れた食事を心がけ、高プリン体食品の摂取を控える
- アルコールの摂取を控える
- 定期的な運動で健康を維持
- 適切な水分摂取
まとめ
痛風腎は、未治療の痛風が原因で腎機能障害を引き起こす可能性があります。糖尿病や高血圧ほど頻度が多くはないですが、透析が必要となる代表的な原因のひとつです。早期発見と適切な管理が重要であり、日常生活において適切な予防策を講じることが重要です。
Q&A
痛風腎はどのように診断されますか?
血液検査での尿酸値の測定、腎機能の検査などが用いられます。
痛風腎と一般的な痛風の違いは何ですか?
痛風は関節に影響を及ぼすことが多いですが、痛風腎は腎臓に損傷を与える点が異なります。
痛風腎の進行を防ぐために最も重要なことは何ですか?
尿酸値を効果的に管理し、適切な食事と生活習慣を維持することです。
痛風腎になるリスクが高い人はどのような人ですか?
高尿酸血症の家族歴がある人、不健康な食生活を送っている人、肥満体型の人などがリスクが高いとされています。
痛風腎で一般的に控えたほうがよいとされる食品は何ですか?
肉類や魚介類などの高プリン体食品が挙げられます。また、アルコールのうち醸造酒にはプリン体が多く含まれ、蒸留酒にはほとんど含まれません。よってアルコールを飲むなら、ビールや日本酒よりも、焼酎やウイスキーの方が好ましいとされています。
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