診療科

どんな病気か

脂腺母斑は胎児期に脂腺が過剰に発達することによって形成されるあざ（医学的には母斑とよびます）で、多くは頭部に発生します。通常は黄色がかった、平らもしくはわずかに隆起した病変として認められます。髪が生える部分の場合、脱毛斑（はげ）として認められることもあります。放置しておくと、成長とともに盛り上がることがあり、ときに腫瘤が発生することがあります。約20％にこうした腫瘤が発生するとされ、その年齢は平均30～35歳といわれていますが、まれに10歳以下のこともあります。

治療法

成長に伴い腫瘤が発生する可能性があることや、見た目の問題から多くの場合で外科的切除が選択されます。小さなものの場合は縫合閉鎖しますが、大きなものの場合には周囲の組織を利用した皮弁移植術という方法や、身体の他の部位から皮膚を移植する植皮術が必要となります。最近ではティッシュー・エキスパンダー（シリコン製バッグによる組織伸展器）を用いてあらかじめ病変周囲の頭皮や皮膚を拡張してから切除を行うことで、術後の脱毛部分やきずあとを最小限にする手術方法も用いられます。